コンプレッションインナーはもともとスポーツ用に開発、販売されていたものですが、次第に作業着のインナーとして着用されるようになってきました。その理由には様々な機能性が挙げられますが、その効果はどれくらいあるのでしょうか。
ここではコンプレッションインナーの機能性や効果について、評判を交えながら解説していきます。
コンプレッションインナーの主な機能性
そもそもコンプレッションとは圧縮、圧搾を意味していて、コンプレッションインナーは着圧インナーとも呼ばれます。伸縮性の高い生地によって着用時の身体に適度に圧をかけることで、身体に様々な効果をもたらす高機能インナーです。
多くのコンプレッションインナーで採用されている機能は運動機能の向上、筋肉や関節への負担の軽減、血流の促進、怪我予防、疲労回復の促進など、実にたくさんの機能が搭載されています。また、夏用では吸水速乾の生地を使い、暑さを軽減し常時快適に過ごせるように作られていて、冬用では高い防寒性、保温性のある作りとなっています。
特にスポーツ以外で着用する場合、疲労軽減と回復効果は期待したい機能です。コンプレッションインナーを着る場面として多いのは作業時が多く、重いものの運搬や無理な姿勢を続けるなど身体に負担がかかります。疲労が蓄積すると作業効率も下がるので、コンプレッションインナーを着用することで疲労を軽減し、身体的疲労の回復も速くすることができます。
また、コンプレッションインナーは身体にぴったり密着するので動きやすいのもメリットです。
コンプレッションインナーはどういう時に有効か
コンプレッションインナーはその効果や機能性から運動前後、身体に負荷のかかる作業時などに有効です。ある研究では筋肉へのダメージ、つまり筋損傷をコンプレッションインナーで回復できることが分かっています。研究ではランニングのあと、通常のウェアを着た人、コンプレッションインナーを着た人の2グループに分け、回復の度合いを確認しました。
その結果、コンプレッションインナーを着たグループでは筋肉の損傷がある程度大きいときに限り、損傷が抑えられていて、疲労回復にも一定の効果があることが判明しました。そして、運動中や作業中に着るのも有効です。
同じような研究で、コンプレッションインナーを着てランニングするグループ、着ないでランニングするグループの2つに分けて、心肺運動負荷を測定しました。その結果、コンプレッションインナーを着て運動すると心拍数が低下する一方、コンプレッションインナーの着用有無は酸素摂取量には影響しないことが判明しました。
つまり激しい運動でなければ、コンプレッションインナーを着ることによって心拍数の上昇をある程度抑えることができるのです。運動時以外で心拍数が上がっている、と感じるのは階段の昇り降りがあります。特に作業時は息が上がると少し休まなければならず、その分作業効率も下がってしまいます。
コンプレッションインナーを着ることによって心拍数が上がるのを抑え、作業後にすぐ動ける状態を保てるのは大きなメリットと言えます。
コンプレッションインナーの種類や価格
コンプレッションインナーには様々な種類があります。Tシャツやタンクトップなどの上半身用、パンツなど下半身用だけでなく、ロングタイツやハーフタイツ、ゲイターと呼ばれるひざ下から脛にはくもの、靴下、腕のみに着用するものなど用途によって選ぶことができます。
季節によっても素材や機能は異なりますし、男性のみでなく女性用のインナーも多いです。価格帯はメーカーによっても異なりますが、Tシャツでは1,000~1,500円程のものが多く、アディダスやアンダーアーマーなどスポーツブランドが発売しているもの、機能性がより優れているものは2,500~3,000円前後となっています。
スパッツやパンツなどは1,500~2,000円前後のものが多く、他にもふくらはぎや腕などのパーツ用などは1,500円前後で販売されています。
通常よりも圧のかかり具合が強いものや、消臭・抗菌、発熱保温効果などがついているものはやや高めの価格帯となっています。
コンプレッションインナーを実際に着てみた人の感想
コンプレッションインナーを実際に着てみた人からは「着ていると筋肉がほどよい圧で包まれ、動きやすいと感じる」「サポート力があるのでいつもよりも軽い力で動ける感じがする」「圧が適度にかかって引き締まる感じで、体を動かす仕事に向いていると思う」「通常のインナーを着るとコンプレッションインナーとの差を感じる」といった感想が数多く見られます。
プラセボ効果という、実際は効果はないのに効果があるように思い込んでしまうものがありますが、コンプレッションインナーの場合は効果や機能の先入観があってもなくても、実際の筋肉に対する効果は変わらないため、これらの感想は信頼しても大丈夫でしょう。
メーカーや製品に関係なく、コンプレッションインナーは一定の効果が期待できます。しかし多くの人が愛用しているものにティゴラというブランドがあります。スキーで有名なアルペングループのブランドで、そのスタイリッシュなデザインや効果の高さは定評があります。
さらにオリジナルブランドなので他のインナーよりも価格も抑えめなので、初めて着る場合でもトライしやすいです。種類は少ないですが、その分細かいところまで作り分けているので、目的や用途で最適なインナーが見つかります。
コンプレッションインナーを選ぶときのポイント
コンプレッションインナーはたくさんの種類があるので、何を選べば良いのかわからない人もいるでしょう。とはいえ機能面や効果はそれほど大きく変わらないですし、価格帯も一部を除いては均衡しているので、選ぶポイントとしてはサイズ感と縫い目です。
コンプレッションインナーは着圧インナーなので、身体にフィットする作りとなっています。そのため、普通のインナーよりもややコンパクトなサイズ感です。もし窮屈なのが苦手な場合はいつものサイズよりも1~2サイズあげた方が良いでしょう。
しかしサイズをあげるとフィット感も少なくなるので、気をつけて選びましょう。また、コンプレッションインナーは身体にぴったり密着するため、縫い目が気になる場合があります。ブランドによっては縫い目がない縫製だったり、縫い目が表に出るように作られたものもあるので、縫い目で肌がかゆくなってしまう人は注意して選ぶようにしましょう。
参考サイト>インナー コンプレッション ... ユニフォームタウン > コンプレッションインナーの通販/作業服の通販 ユニフォームタウン